図書館長のハンナ・ラッセル(Hannah Russell)は、機関で起こった変革について、その考えを語ります。
最近、国立水大気研究所(National Institute of Water and Atmospheric Research・NIWA)の図書館長であるハンナ・ラッセル氏に、機関で起こった変革について、話を伺いました。
(ALIA Information Online 2017 コンファレンスでのワイリー社員と同氏の質疑応答)
Q. あなたの経歴を少し教えてください。
A. NIWAに入社して11年になります。2006年にドキュメントサプライ・レファレンス図書館員(Document Supply & Reference Librarian)としてNIWAに入社し、長年にわたり数々の役職を経験してきました。2015年に図書館マネージャーに任命され、大変光栄でした。NIWAの前は、法律関係の図書館と大学図書館に勤務していました。
Q. 貴機関について、お聞かせください。
A. NIWA図書館は、National Institute of Water and Atmospheric Researchの略で、漁業、海洋、淡水、大気科学に特化したニュージーランドの主要な研究コレクションとなります。当館は、私たちの科学研究所の順調な運営を支え、私たちの使命である技術サービスやアドバイスを提供するための基本的なものです。印刷物、電子媒体ともに、かなり大規模なコレクションを持っています。しかし、図書館のスタッフはわずか3名と、ある意味小規模な運営を行っています。私たちは主にNIWAのスタッフ(現在約650人)の仕事をサポートするためにここにいますが、一般の方からの問い合わせもあり、できる限りお手伝いしています。NIWA図書館の使命は、適切な学術研究文献へのアクセスを提供し、研究資源の責任ある管理、配置、保管を通じて、NIWAの科学とビジネスの戦略的方向性をサポートすることです。私たちは他の図書館との連携を大切にしており、他のクラウン研究所の図書館との強力なネットワークを持っています。
Q. NIWA図書館は、2011年に3つの図書館を統合し、1つの集中型図書館サービスにするという抜本的な変化を遂げられました。この大変革の原動力は何だったのでしょうか?
A. NIWAは2011年に組織全体の目的適合性の見直しを行いました。この見直しは、すでに生産性の高い研究所を継続的に改善できるよう、組織全体で効率に重点を置いた変更を行うことを目的としました。電子化・オンライン化への大幅な移行により、対面・オンサイトの図書館サービスの必要性が低下し、検索機能の進歩により、従来は図書館員の専門的な業務を行っていた研究者が十分に能力を発揮できるようになったのです。1つの中枢に集中することで、期待された相乗効果と業務効率の向上がもたらされました。
Q: 最大の障壁は何であり、そして、それにどう対処されましたか?
A. 特に、これまで図書館員がいた拠点では、この見直しに対してスタッフからの抵抗があったことは確かです。しかし、この抵抗は図書館職員に向けられたものではなく、図書館職員は組織再編成の際に特に強いサポートを受け、必要なことを進めることができたのです。見直しの後、図書館サービスの提供に問題はなく、研究スタッフは、提案の過程でマネージメント陣から伝えられた提案の根拠を理解していました。
Q: その変化のインパクトはどのようなもので、その成果をどのように測りましたか?。その後、図書館は今でも目指したモデルと同じように運営されているのでしょうか?
A. これまでとは違うことをしなければならないし、やらなければならないことも少なくなっています。最近では、スタッフが直接リサーチすることは少なくなり、購読しているデータベースや書誌管理ソフトの使い方をトレーニングすることに重点を置いています。また、職員に直接アラートを出すことも少なくなり、その代わりに職員が自分でアラートを設定できるように手助けしています。現物のコレクションをウェリントンに集中させるのは、長くゆっくりとしたプロセスで、まだ完全ではありません。しかし、図書館は現在も同じモデルで運営されており、NIWAの研究者や職員に、世界的な研究機関が必要とするプロフェッショナルで迅速なサービスを提供しています。
図書館のチームとして、限られた資源という課題にどのように対処していますか?あなたの考えをコメント欄で共有してください。
画像引用元: Sadira Campbell