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Wednesday, April 11, 2018

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図書館員の見解 : インドでは図書館がどのように変化したか

インド在住の図書館員4名から、図書館は過去にどのようなものであったか、また、成功できる図書館の変革促進要素と、その未来についての意見を伺いました。

以前のブログ記事「未来の図書館はどのようなものになりますか?」‘What Will Libraries of the Future Look Like?’ から続き、学術機関図書館に見える変化を、更に深く掘り下げます。
技術は進化し続け、より一層社会との統合が進んでいます。スマート家電と音声管理アシスタントは、我々の生活を更に便利にするための技術がどのように進化しているかを示す二つの例に過ぎません。テクノロジーが我々の生活様式に変化をもたらすと同様に、図書館の在り方にも影響を与えるものでしょうか?

図書館の革新を促進する

学術図書館で期待されている大きな変化の1つは、新しく革新的な技術を取り入れる事です。NMCホライゾンレポート概要 2017図書館版(NMC Horizon Report Summary 2017 Library)では、「学習、研究、および情報のための新しいアプリケーション技術に対応・適応する図書館」が非常に近い将来、出現すると示唆しています。

これらの新しいアプリケーションを取り入れることで、学術機関は「国境を越えて繋がり結束し、共通の目標に向かって取り組む」ことを可能にします。これは、世界で更なる共同研究を可能にし、図書館が学術資料やリソースへのアクセスを改善できることを意味します。これらの技術革新は、図書館がオンラインでコレクションをより効果的に保存・管理し、また、それによって研究者へのアクセス提供を改善・再定義することができます。

デジタルリソースへ簡潔なアクセス提供に焦点を当てることは、図書館員の職責に影響を与える可能性があります。図書館員は「利用者の学習、研究、情報のため、新しい技術を取り入れ、更なるスキルアップが必要である」と、求められます。これは、館内での学習・開発に焦点を当て、図書館と情報科学のコース内容の変化や、単に図書館員の専門的な職責が広がる可能性があります。

革新(イノベーション)はデジタルデータ管理の進歩にもつながり、より正確に情報検索結果や引用を行え、図書館は関連リソースをより効果的に精選し、開示できるようになります。

これらの革新は、図書館利用者のコンテンツの発見を大きく改善し、アクセスしやすく、コンテンツへの関連性を高めます。


図書館スペースを再考する

先述のホライゾンレポートでは、学生の図書館利用方法の変化も明言しています。

レポートでは、「学生が情報収集するための、唯一の情報源として図書館に頼ることは減少し、図書館を生産的な場所としての利用が増加している」と記しています。学生は、学習教材と共同学習のために継続的なアクセスを利用し、場所を問わず学べることを期待しています。学生たちの期待の変化は、常時アクセスできるインターネット環境など、図書館へ大きな需要を置いています。学生は、資料や図書館へ常にアクセスを求め、図書館は、これら需要に対応する新しい方法を模索する必要があります。

これら共同学習の需要は、図書館スペースの設計計画において、対面交流をさらに促進するために、各機関の管理職リーダーにも問いかけています。その結果、図書館の構造が大幅に変化するようになりました。今後、アクティブラーニング空間、メディア制作空間、オンライン会議スペース、その他の共同学習や実践的な作業をするスペースなど、新しく革新的な技術が図書館に導入され始めるかもしれません。一部の機関では、これは図書館スペースの完全な見直しを意味するかもしれませんが、別機関では既存のスペースを再利用し、コストを抑えた解決策を検討するかもしれません。
 
技術革新と図書館スペースの進化に伴い、これらの変化が図書館に見られれば、図書館の利用方法が永遠に変わるということを意味します。図書館は日々デジタル化する世界に向かっており、ホライゾンレポートの記述と同じく、動向を調査することは可能ですが、これがどのように実際に進化するかは保証されていません。10年後、20年後、あるいは30年後には、完全にペーパーレスの読書エリア、タッチスクリーンでの情報ポータル、ロボットアシスタントをガイドとする図書館ができるでしょう。本当のイノベーションはこれからでしょう。

Image Source: Pexels.com /George Becker