公開日
貢献者
図書館学の進歩:ムンバイのタタ基礎研究所にインタビュー
インドのWiley ライブラリーアワードは、図書館・情報科学の最高峰を一堂に集めた賞です。受賞したR.Prabakaran博士に、インドにおける図書館学の現状についてお話を伺いました。
図書館・情報科学の分野で最高の人材を集め、その栄誉を称えるため、Wiley インドは昨年12月に第2回Wileyライブラリーアワードを開催しました。インドで初めてかつ唯一の試みであるこの賞には、過去最高の145の候補が集まり、3つの賞を競い合いました。受賞者は、図書館学の発展に画期的な貢献をした著名な図書館専門家で構成される独立した審査員によって決定されました。
ムンバイのタタ基礎研究所は、他の80人の候補を抑えて、Digitally Transformed Academic Library Award(学術図書館デジタル化賞)を受賞しました。ここでは、研究所を代表して受賞されたR.Prabakaran博士の言葉をご紹介します。

インド Wileyライブラリーアワード2017審査員・受賞者
Q: 先日インドで開催されたWiley ライブラリーアワードで「DigitallyTransformed Research Library Award」を受賞されたとのことで、おめでとうございます。読者のために、あなたと貴図書館の紹介をお願いします。
- この度は、Wiley ライブラリーアワード2017を受賞し、大変嬉しく思っております。私は1991年から、タタ基礎研究所(TIFR)図書館に勤務しています。タタ基礎研究所(TIFR)は1945年に設立され、物理学、化学、生物学、数学、コンピュータ科学、科学教育などの基礎研究を行っています。プネー、バンガロール、ハイデラバードにセンターを持っています。.
図書館は、研究所の学術プログラムを支える非常に重要な役割を担っています。図書館の主な目的は、TIFRの科学者コミュニティのために、情報と学術的リソースを開発、整理、保存、提供することです。図書館は、効果的な情報サービスを提供し、図書館のリソースコレクションを拡大し、発展させるために新しい技術を探求し、導入しています。
Q: インドの研究図書館の現状と、今後2〜3年の計画について聞かせてください。
- ほとんどの図書館がテクノロジーの活用に対応し、デジタル資料を得て、利用者にオンライン/ICTベースのサービスを提供しています。TIFRでは、科学情報資料センター(旧図書館)が、デジタル化されていない貴重書や蔵書をデジタル化し、オンラインサービスを拡大する計画があります。
今、TIFRライブラリーは、印刷物とデジタル資料の両方を利用できるハイブリッド型の図書館です。利用者のコンテンツ利用方法の変化に対応するため、蔵書の大半はデジタル形式になっています。また、24時間365日どこからでも電子資料にアクセスできるよう、Wi-Fiなどの設備も整えています。
現在および将来の要件を満たすために、システムとサービスの継続的なアップグレードを計画しています。

“インドが真に発展していくためには、分野を超えた研究が重要であり、研究図書館は、そのために重要な役割を担っています。私たちの研究図書館のデジタル化への取り組みが、インド中の多くの人々に知られるようになったことを嬉しく思います。インドでの研究活動を支援するため、さらに努力を重ねていきます。”
Q: 図書館員が今、そして将来に向けて身につけるべき重要な能力は何だと思いますか?
- 図書館員は、今日および将来のために、電子リソースの管理、アプリケーションIT、交渉のスキルなどを身につける必要があります。今日、図書館員は新しい技術を学び、進化させ、適応し、サービスを向上させる必要があります。
Q: 日々の仕事の原動力は何ですか?図書館員であることの好きな点は何ですか?
- 利用者の満足度や研究成果の高さが、日々の仕事のモチベーションになっています。図書館員として好きなことは、利用者が必要としているときにタイムリーな情報を提供することです。
Wiley Library Awards 2017の詳細については、こちらまでお問い合わせください。


